う~ん・・・・・
今私はとても異様な光景を目の前にしている
信じられないことだけど・・・私は幽霊だ
なぜかよくわからないけど目が覚めると一人でどこか分からない山奥で座り込んでいた
その後色んな人?に助けてもらって住んでいた神社に帰ってきたんだけど・・・
まるで何十年も前に廃墟になったかのようなボロボロ加減だ・・・
それはいい(良くは無いか)
だけどそんなことよりもっと意味が分からない光景が目の前に広がっていた
頭から柔らかそうな耳が生えお尻からフサフサの尻尾が生えた女の子が骸骨をもってチャカチャカ踊っていた
しかも素っ裸で(おい・・・)
本来なら神秘的で官能的な光景なんだろうけど・・・・あまりにも訳の分からない光景のため暗黒盆踊りにしか見えない
これは・・・・声をかけたほうが良いかな・・・・
あの~・・・
私は恐る恐る獣少女に声をかける
ぴゃ!!!!!
その瞬間彼女はまさに尻尾を踏みつけられた猫のように驚いて飛び上がる
そして慌てて逃げ出そうとして足をもつれさせてその場で転倒・・・・逃げられないと悟った彼女はその場で頭を
地面にこすりつけて謝りだす
ごめんなさい!ごめんなさい!何でもしますから・・・・食べないでええええええええ
う~ん・・・騒がしいけどかわいいなこの子・・・
さらに仰向けに寝転がるとその場で転がりまわる(俗にいう服従のポーズなのだろうが・・・・全裸でそれは困る)
あのさ・・・・・何もしないから・・・転がりまわるのやめてくれない?背中も傷だらけよ?
!?うきゃあああああいたいいいいいい
私の言葉に一瞬冷静になった彼女は次の瞬間痛みに悶絶する
・・・・・手当してあげるから・・・おいで・・・
私はこの騒がしい女の子を自宅へと招き入れる
しかし・・・この現状は何だろうか・・・
壁は破壊され屋根は落ち・・・そして床には血痕がいたるところに残されている
何かに襲われたのか・・・・そんな現状だった
幸い救急道具は残されていたので、私は手早く彼女を消毒し包帯を巻く
なんだか・・・・苦しい・・・
女の子がそういって不思議そうにくるりと回る
う~ん・・・・見れば見るほど狐だなこの子・・・
どちらにしても全裸でうろうろされたら目のやり場に困る
とにかく・・・・これ着ておいてくれる?
私はタンスの中から巫女装束を取り出すと彼女に渡す(多分大きさ的に私が着ていたものだ)
ありがとうございます!名も知れないお姉さん!
狐娘はぴょこんと頭を下げる
かわいい
え~と・・・・貴女何してたのかしら?
私の問いかけに狐娘は目をキラキラさせて言った
私、憧れの人がいて・・・・その人に会うために人間に化ける術を練習していてさっきついに成功したんですよ~
だから嬉しくてつい・・・
へ~憧れの人ね・・・・
その人この神社の巫女さんで・・・いつも私に声をかけてくれて頭をなでてくれてたんですよ・・・・
だからその人の事好きになっちゃって・・・・それで・・・
顔を赤らめる狐娘
一方私は・・・・
その巫女さんの顔って・・・覚えてる?
はい!
長い黒髪で・・・・そして優しい感じの赤い瞳で背がとても小さいかわいい・・・ちょうどお姉さんみたいな・・・・
・・・・・・
そこで彼女は固まる
ああああああああああああああああああ
彼女の驚いた顔を今でも忘れない
それが私とクヌギちゃんの最初の出会い・・・
まさかあの後、こんなに大切な人になるなんて・・・・思いもしてなかった
そして・・・・・
久遠の契りを結ぶなんて思わなかった・・・・